Windows VistaからWindows 7へのアップグレード
MSDNでWindows 7の商用版(RTL)がダウンロード可能になっていましたので、開発マシンのWindows Vistaをアップグレードしてみました。基本的にVistaからのアップグレードインストールには問題はありません。動作がキビキビするようになって快適になりますのでお勧めすることができます。
しかし、他には変化はあまり感じられません。そう考えると、製品名を変えて課金するだけの価値があるものなのかという疑問も湧きます。マイクロソフトの開発陣ともあろうものが2年半の歳月を掛けて、GUIのチューンナップしかできなかったのでしょうかねぇ。
インストール状況
アップグレードはWindows Vista UltimateからWindows 7 Ultimateで行いましたが、インストール自体は自動で完了しました。
問題らしい問題は2点程。1つはオンボードのサウンドチップ(VIA VT1612A)の認識ができなかったことです。これは、Vistaで動いていたドライバーを入れたら大丈夫でした。もう一つはマウスの設定ユーティリティの"IntelliPoint"がアップグレードしただけでは動かないことです。MSのサイトに行って最新版(7.0)を落としてきてインストールします。<<http://www.microsoft.com/hardware/download/download.aspx?category=MK>>。英語版と言われますが、表示は日本語になっています。
雑多な問題点
私は所謂XMouse機能を使っていますが、これ自体はVistaのときと同じく、"コンピュータの簡単操作"で設定することができます。しかし、GUIのレスポンスが向上したためか、AutoRaise機能(マウスを入れて選択したウィンドウが自動的に前面にポップされる)が速すぎて使い難くなってしまいました。これはUNIX系では通常delayを設定できるものです。この遅延設定は以下のレジストリで設定できました。"HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Desktop\ActiveWndTrkTimeout"、単位はミリ秒です。注意点としては、同じパスに"ActiveWndTrackTimeout"という紛らわしいキーがあることです。多分開発途中で不要になったのでしょうがリリース前には整理して欲しいですね。
システムからAcrobat Readerが何かエラーを出していると報告されます。解決するにはアップデートしろと言われますが、自動アップデータ(実体はインストーラAdbeRdr910_ja_JP.exe)では"AdbeRdr910_ja_JP.msi"でネットワークエラーが起りました、と言われて失敗してしまいます。ネットを調べたところ、MSIファイルを直接ダウンロード<<http://ardownload.adobe.com/pub/adobe/reader/win/9.x/9.1/jpn/AdbeRdr910_ja_JP.msi>>して、「ない」と言われているフォルダに置けばインストーラが先に進むようになります。ja_JPのmsiの抽出に失敗しているようです。
試験環境をVirtual PCで構築していますが、インストール後には"Virtual Machine Network Service"に対応したNICがないと怒られてしまいます。そこで、"ネットワークと共有センター"の"ローカルエリア接続"にサービス"Virtual Machine Network Services"をインストールします。しかし、途中で"VMNetSrv.sys"がないと言って止まります。これは、"WINDOWS\system32\DriverStore"の下にありますので、それを指定すれば無事完了させることができました。
どういう訳か、Windows 7の"ファイルの検索"機能を使うとこのファイルが見つかりません。何かの設定が必要なのかもしれませんが、いきなり「見つかりませんでした、終了」みたいになってしまうと、本当にないのかと思ってしまいます。なんだかなぁ。私は、Cygwinのfindを使って見つけました。
状況が今一掴めていませんが、時々画面解像度が1024x768になってしまいます。実際のディスプレイは1280x1024でして、PnPディスプレイを再認識させると直ります。この過程で、画面上に置いたアイコンがグチャグチャな順番になってしまいますので、かなり迷惑な仕様(もしくはバグ)です。もしかすると、ディスプレイが繋っていない状態で起動すると、設定をリセットしてしまうのかもしれません。(ディスプレイ切り替え器を使っています)。これはVistaでは問題ありませんでしたし、自動認識できなければ設定をそのままにすべきですよね。
結論
アップグレードインストール自体は比較的すんなり行きます。費用を考えなければ、全般的には軽くて快適になるのでアップグレードしたほうが良いと思います。しかし、これがアップグレードだけで27,000円と言われると必要ないかなぁとも思ってしまいます。
問題があるとすれば、Windows XPからのアップグレードが用意されていないことでしょう。Vistaを我慢していたユーザをバッサリ切り捨ててしまっています。しかしながら考えてみると、Vistaにしなかった/できなかった人の場合、マシン性能上の問題も大きかったと思いますので、どうせハードを新規に買うからイイダロと思っているのでしょうか。
おまけ:ハードウェア要求について
ハードウェア要求について注意点を少し書いておきます。基本的にはVistaと同じになります。
一番問題なのはVGAで、DirectX 9のサポートがないとAeroが動きません。オンボードのチップセットでは、intel 945以降になります。広く出ている 845, 865はおろか、915でも不足です。CPU種類で言うと、Socket478は全滅、Socket775で945からです。単体カードのほうは、nVidiaのGPUではGeForce FX5200以降、Radeonは9500以降。nVidiaは良いとして、ベストセラーのRadeon 9200で動きません。
サウンドは、チップセット付属のものは大体大丈夫(上記のようになんとかなるレベルも含む)ようです。単体カードのほうは、性能というよりもドライバが提供されるかどうかが鍵になっています。メーカの多くが弱小のこともありサポートが打ち切られているものが殆どであるため、古いのはほぼ駄目と考えなくてはなりません。中でも問題なのはCreative Labo.で、Sound Blaster Live Value以前のドライバ更新を提供していません。マイクロソフト製のがありますが、少なくとも私のカードでは音が歪んで使い物になりませんでした。
CPUは、Pentium4 2.4GHzレベルで充分、メモリはDDR333が1GBあれば問題なしのようです。