往年の指揮者の同曲演奏で、ベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」です。
・クナッパーツブッシュ指揮ミュンヘンフィル 1953年(1、2、3、4楽章)
・フルトヴェングラー指揮ウィーンフィル 1944年(ウラニアのエロイカ)(1、2、3、4楽章)
どちらも個性的ながら定評のあった演奏です。(特にクナッパーツブッシュのは遅くて個性的ですね)。フルトヴェングラーは1952年のスタジオ録音盤を持っているのですが、こちらの演奏も思ったよりは音が良いと思います。彼の戦時中の演奏録音では、他にもモーツァルトの交響曲第39番が音が良いことに驚きました。
因みに「英雄」のステレオ録音では、ピエール・モントゥー指揮コンセルトヘボーの演奏が好きなのですが、彼のはまだ著作(隣接)権が切れていません。それにしても、この時代の演奏家(モントゥーやアンチェル、ライナー等)は本当に素晴しい演奏を残しているのですが、CDは廃盤、著作権も切れていないという状況で、実質的に誰にも聞かれていないのではないでしょうか。私も最近まで聞いたことありませんでした。聞きさえすれば皆さん納得の名演と思うのですが。
演奏家(とその子孫)にとって、少しの権利金(今後爆発的に売れることは考え難く、せいぜい没後50年セットみたいなのが細々売られる程度でしょう)で縛られて、聞かれないままでいるのと、皆に聞いてもらってその真価を知ってもらうのと、本当はどちらが良いのか、と考えさせられてしまいます。所謂飼い殺しって奴に近いです。個別の事情で違う答えなのかもしれませんが。